1筋の光

弁護士事務所というのはなぜか分かりにくいところにあります。そして、中は狭くて書類が山積みです。今日、与世田法律事務所に行ったのですがここも例外ではありませんでした。ただ、何とか建築とか、何とか建設と書かれた箱に書類が山積みになっていたので、ここはちょっと違うなぁ…って思いました。

また、色々なところから花が届けられていました。何か大きな裁判に勝ったのかなぁ?なんて妻と話をしていたのですが、どうやら違ったみたいです。大体約束の時間になっても待たされることが多いのですが、ここは時間きっちりに奥の部屋へと通されました。机の上にも、部屋の奥にも花が飾られていました。よーくみると、弁護士会会長就任内定祝とかかれていました。
沖縄弁護士会会長?ということは、弁護士会で一番偉いということ….?ちょっとびっくりしました。

以下、会話の抜粋です。すべての会話を文章に起こすのは大変なので…。

弁護士: 「実は佐野工業の再生に向けて我々がやっているのですが、rikiさんの所の詳細についてはFがやっているので詳細が分からないのです。一度説明してもらえますか?」
riki: (いつものように、1月からの工事の中で色々と問題があったこと、納期を何度も延ばされたこと、補修をきちんとするといったのに途中で工事を終わっていること、清算をきちんとしていないのに代金を払えといってくること、仕方がないので自分たちから設計のSさんを間にいれて交渉をしているのにFが出てきたこと、Fに対して質問書を送ったが回答をもらえずに訴訟を起こすといわれていたことを説明。)
弁護士: 「現場の写真などは今持っていますか?」
riki: 「今は持っていません。家にはあるのですが….。」
弁護士: 「工事請負契約書はありますか?」
riki: 「これです….。」
弁護士: 「rikiさんが出した清算のための資料はありますか?」
riki: 「これです。」
弁護士: 「うーん、問題になるのが恐らく迷惑料のところですね。裁判をしたとしてもここに載せられているだけの金額が支払われたことはないのですよね。実際どれだけがこういった部分に当てはまるのかっていうのは人それぞれによって感じ方が異なるものなので難しいのですよね。」
riki: 「というか、自分達は和解金を問題にしているわけではなくて、自分達のお家をきちんと完成させるためにどうすればよいのかをきちんと明確にしたいという話をFとしたかったのです。ところが、Fは解決に向けたお金の話しかしてこないのです。そして、何かあると裁判するよっていってくるんです。つまり、裁判を前提として話をしているんだから、自分達とは話にならないわけです。」
弁護士: 「佐野工業は一度つぶれた事になります。今、取引銀行からは再生に向けて50パーセントぐらいの了解を得ています。お金だけでは事業は成り立たないので取引先である沖創建設とも話をしていて、仕事に穴をあけない、下請けをきちんと管理すると言う条件であれば引き続き仕事を出してもよいという話をしています。これから再生に向けていろいろと作業を行っていくわけで、今はrikiさんのようなお客さんに対してきちんとご迷惑をかけたことを謝って、債券を回収していく作業を行っています。最初にFから裁判を起こすという話を聞いたのですが、佐野工業が事実上つぶれていることは事実でrikiさんたちにご迷惑をかけている上に裁判を起こすなんて事は考えられないとつっぱねたんですよ。一応、私が再生手続きの責任者であるし、再生手続きというのは裁判所から監督されていますから裁判を起こすにしても裁判所の許可が要るのです。それにこれだけの問題で裁判にしなければならないとは思えませんでしたので…。」
riki: 「でも、Fは裁判を起こしたいらしいですよ。和解というものはお互いが納得するために話をするものではないでしょうか?でも実際には、Fに対して質問書を送っただけで、これ以上は話し合いになりません。裁判をしますっていうFAXが送られてきました。普通では考えられないような行為ですよね?それに、毎回毎回言っていることとやっていることが違います。これが最新のFAXなんですが、書いてあることもおかしいと思っています。床の端から端までビー球が転がらないと瑕疵としては認められないって書いているんですが、端から端まで転がったらそれは欠陥住宅だと思います。自分達は自分の家をきちんと完成させるためにきちんと工事をやらなければならないし、佐野工業に対してもお金を払わないとはいっていないのです。それなのにこうやってどんどん訳がわからない事になるのはどうしてもFに問題があると思っています。」
弁護士: 「わかりました。じゃあ、佐野工業の社長と、Fに対して私から話をしておきます。この件は私がrikiさんと話を進めるということにしたいと思います。そのときに、私からプランを提示する事にします。要は、rikiさんのお家で気になっているところを全部直すのにどれだけかかるよというのと、これから先の補償の問題。つまり、今回直した所以外に、これからrikiさんが見つけた瑕疵に対して誰が直すのかという部分がしっかりと書類に記載されていれば問題はないと思います。それが迷惑をかけたrikiさんに対してきちんとするという事になると思います。rikiさんも、佐野工業が潰れてしまったらお金だけ払うことになり補償は一切受けることが出来なくなります。そうならないように我々も頑張っているわけですからなんとかしなければならない状況です。」
riki: 「自分達はそうしてもらえると助かります。ただ、1つ確認したいのですがこれから先の瑕疵について自分たちが見つけて瑕疵だと佐野工業が認めたとします。その場合、それは佐野工業が直すということになるのでしょうか?」
弁護士: 「まあ、rikiさんたちの心理から言うと佐野工業にはもう関ってもらいたくないというのが当り前だと思います。これも、特に問題ではないです。要は直してもらう代金を一時的にrikiさんが立て替えたあと佐野工業に請求するか、直した業者が佐野工業に請求すればよいのです。誰が直してもお金を支払うのは佐野工業ですから….。心配はいりませんよ。」
riki: 「わかりました。」
弁護士: 「ということで、まずは業者に全部直してもらう場合にいくらかかるのか見積もりをもらってください。見積もりをもらえば詳細な金額がわかりますからこれに対して佐野工業の社長と、設計士さんとで妥当な金額かどうかを判断してもらいます。まずはここから初めて素直に金額を出したほうが、瑕疵を認める認めないという話をしているよりはずっとはないと思います。」
riki: 「自分達はずっとそうしたいとFに言っていました。でもそれが無視されつづけたのです。分かりました。もう業者に現場は見てもらっているので見積書が出来たらお送りさせていただきたいと思います。」
弁護士: 「お待ちしております。急ぎませんので納得のいく所を見つけてください。」
riki: 「分かりました。今日はありがとうございました。」
弁護士: 「いえいえ、とんでもありません。わざわざいらしていただきありがとうございました。私からも状況はFに言っておきますが、もし電話などがかかってきたら与世田に任せる事にしましたと話をしておいてください。」

これぞrikiが待ち望んでいた弁護士さんだと思いました。
きちんとrikiにとって一番よい方法をきちんと説明した上で提示してくれrikiも妻も安心して話を聞くことが出来たし、きちんとその場で疑問に感じたことを聞くことが出来ました。聞いた質問に対してもきちんと説明してくれたし….。これが当り前の光景だと思います。

今後の和解交渉がどうなるのかは分かりませんが、少なくても今、FAXや電話に怯える日々が終わった安心感がrikiと嫁の心には広がっています。

工事が中途半端な状態で終わってから約5ヶ月。ようやく、解決に向けて本当の第一歩を踏み出したような気がするのでした….。

しかし、弁護士会会長内定とは…..。とてもビッグな人と巡り合ったもんだ….。

PS.
rikiが弁護士事務所を出るとき、与世田さんがFにたいして電話をかけていました。その内容がとても気になります。^^;
「お前はもう一度勉強しなおせ!!この大ばか者が!!!!!」なんていってくれていたらいいなぁ…..。^^;